給食にも反映される日本の食文化の違い 第2弾:海あり県と海なし県の食文化の違い

日本は四方を海に囲まれた島国であり、その地理的特性は各地域の食文化に多大な影響を与えています。
前回のコラムでは、関東と関西の食文化の違いを紹介しました。 今回は、さらに視点を広げ、海に面した県(海あり県)と内陸部の県(海なし県)の食文化の違いに注目してみたいと思います。
本コラムでは、海あり県と海なし県それぞれの食文化の特徴を2つずつ挙げ、最後にその違いをまとめます。
海なし県とは?日本にいくつある?
海あり県と海なし県の食文化の違いの前に、まず「海なし県」ってどんなところか、少し詳しく見てみましょう!
「海なし県」とは、海に面していない内陸の都道府県を指します。日本には実際に8つの海なし県があります。それは栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、そして奈良県です。

さて、ここからは本題に入ります。海あり県と海なし県の食文化の違いをそれぞれ2つずつ挙げていきます。
海あり県の食文化の特徴
① 新鮮な魚介類の豊富さ
海あり県では、「新鮮な魚介類を容易に入手できる」ことが最大の特徴です。豊富な海の幸が食卓を彩り、刺身や寿司などの生食文化が発達しています。
例えば、江戸(現在の東京)では、東京湾で獲れた新鮮な魚介類を使用した「江戸前寿司」が発展しました。
また、千葉県房総半島沿岸部には、古くから伝わる郷土料理として「なめろう」があります。
さらに、三重県では、漁師が船上でとれた魚をその場でさばいて、手で混ぜあわせたことが始まりとされる「てこね寿司」が郷土料理となっています。
② 海藻類の多様な利用
「海藻類」も海あり県の食文化に大きな影響を与えています。ワカメ、昆布、ヒジキなどの海藻は、サラダや煮物、汁物など様々な料理に使用されています。
例えば、日本最大の昆布生産地である北海道では、魚を昆布で巻いた「昆布巻き」が根づいています。
また沖縄県では、プチプチとした食感が特徴的な「海ぶどう」が特産品となっています。生のまま食べたり、和え物や丼物に使用したり、麺類のトッピングとしても楽しまれています。さらに、沖縄県の郷土料理として「クーブイリチー」があります。「クーブ」は昆布、「イリチー」は炒め煮を意味し、お祝いの席でも食べられる縁起物です。
海なし県の食文化の特徴
① 独自の魚食文化の発展
海なし県でも、魚食文化が発展しています。
例えば、山梨県ではマグロの消費量が全国2位となっています。これは、江戸時代に駿河湾で獲れたマグロが「魚尻点(魚を新鮮なまま運ぶ限界の距離)」である甲府まで届いたことが始まりとされています。
また、滋賀県では、「鯖ずし」「鯖そうめん」といった海の魚である鯖を使った郷土料理が根付いています。これは、「鯖街道」と呼ばれる流通経路を通じて、海の魚が内陸部まで運ばれていたことに由来します。
② 保存技術を活かした魚料理
海から遠い地域では、新鮮な魚を入手することが難しいため、独自の保存技術や調理法が発達しました。
例えば、長野県では、江戸時代中期から「塩いか」が作られるようになりました。これは、イカの内臓と皮を取り除き、茹でて塩蔵することで長期保存を可能にした食材です。
また、山梨県では、輸送技術が発達していない時代に生まれた独特の寿司文化があります。魚を酢で締めたり、塩ゆでしたり、醤油に漬け込んだりすることで保存性を高め、内陸部でも海の魚を楽しむ工夫がされています。
海あり県と海なし県の食文化の違い
以下は、海あり県と海なし県の食文化の違いをまとめた表です。地理的特性によって異なる食文化が育まれていることが分かりますね!
特徴 | 海あり県 | 海なし県 |
---|---|---|
魚介類の入手 | 新鮮な魚介類が豊富で、刺身や寿司が発達 | 新鮮な魚介類の入手は難しいが、保存技術を活用 |
保存技術 | 鮮度を生かした生食が中心 | 酢や塩、醤油を使った保存技術が発達 |
流通 | 地元で新鮮な魚を利用 | 魚尻線や鯖街道を通じて魚が運ばれる |
郷土料理の例 | 江戸前寿司、なめろう、てこね寿司 | 鯖ずし、塩いか |
まとめ
海あり県と海なし県では、地理的特性によって食文化に大きな違いが生まれています。しかし、興味深いことに、海なし県でも独自の方法で魚食文化を発展させてきました。現代では、輸送技術の発達により、海なし県でも新鮮な魚介類を入手することが可能になっていますが、それでも各地域の伝統的な食文化は受け継がれています。
海あり県と海なし県の食文化の違いは、日本の多様な自然環境と、それに適応してきた人々の知恵や工夫の結晶と言えるでしょう。
そして、関東と関西の食文化の違いが給食に反映されているように、本コラムで紹介した海あり県と海なし県の食文化の違いも給食に反映されています。
例えば、長野県では、伝統的な保存食である「塩いか」を酢の物として給食に取り入れている学校があります。 また、沖縄県では、「クーブイリチー」を給食に取り入れている学校があります。
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